千葉県・南房総市【coco cafe】子供おじさんの為の秘密基地のカフェ

coco cafe
総合評価
( 5 )
メリット
  • 海が近い
  • レンタサイクルがある

貴方は子供おじさんという言葉をご存知だろうか?子供おじさんとは、精神年齢が小学生で止まってしまったおじさんの事を言う。つまり、私の事だ。

今回NOPLANNERこと子供おじさんは、海沿いをサイクリングしようと思い、またまたNOPLANな計画を立てた。自転車に跨り海へ出発しようとGoogleマップ様に尋ねると…………80km約8時間。ママチャリを8時間も漕いでたら肛門が2、3個取れてしまうので、大事を取って他の案を練る事にした。それならばと、車に自転車を乗せて海まで行けばいいのか!と閃き試みる。私の愛車はスズキのツインという車なのだが、思いのほかママチャリが大きくどうにもこうにも入らない。と言うか、前輪すら入らない。軽自動車という物は色々と使い勝手が良いが、この時ばかりは後悔した。同じ軽なら軽トラックにするべきだったか。

そんな事を嘆いても現状は何も変わず刻一刻と時間が過ぎていく。こんなに天気の良い日に海沿いをサイクリング出来ないのは、死ぬ時後悔しそうだと思ったので、是が非でも自分の我儘を叶えてあげたい。

無い頭で考え着いた答えは、自転車を借りればいいのか!という事。またまたGoogle Brainの力を借りて検索。すると幸いな事に目的地にしていた近くでレンタサイクルをやっている店を見つけた。これはいい。すぐにママチャリを投げ捨て目的地へと急いだ。

高速道路に乗り、千葉県の館山道をひたすら下り富浦インターを降りる。

インターを下りたら更に20分くらい車を走らせると、今回NOPLANNERがおすすめさせていただくレンタサイクルカフェ【coco cafe】に到着する。場所は千葉県南房総市白子1968−15。

カーブの途中にお店があり、気をつけないと行き過ぎてしまうので注意が必要だ。駐車場は店前に2台と道を挟んで反対の田んぼの横に砂利の駐車場が4台くらい停められるスペースがある。

私は店前に車を停めたが、砂利の駐車場の方が停めやすいと思った。外観は町のサーフショップのような佇まいなので、子供おじさんは入るのを躊躇ったが、ここまで来た以上今更引き下がる訳にはいかない。

意を決して入店すると、少し怖めのマンバンヘアーをしたマスターが出迎えてくれる。

ここまで来たが引き下がるか。

と、扉を閉めようとしたその時、怖めのマンバンマスターが優しく店内へエスコートしてくれた。

あぁ。逃げられなかったか。

半ば監禁される気持ちで、重たい脚を奥へ奥へと進ませた。

店内はハワイテイストのような空間だ。サーファーが集う場所なのか、サーフボードやビーチクルーザー等も置いてある。

私は意を決して、左右の人差し指をツンツンとさせながら自転車を借りたい事を伝えると、風貌からは想像出来ない丁寧な説明をうけ、1日3000円、半日(4時間)だと1500円で自転車を貸してもらえる。

高いのか安いのか妥当なのか私には分からなかったが、とりあえず怖いし目的を達成させる為に半日で借りることにした。

ビーチクルーザーとは砂浜でも走れるように設計されたアメリカ発祥の自転車らしく、ママチャリとは違うおしゃれな自転車が何種類もある。私には違いが良く分からないので、その中でもママチャリに似たような物を借りた。

マンバンマスターからおすすめルートが載ったマップを貰ったが、そんな事より早く逃げたかったので早速自転車に跨り、右も左もよく分からぬままガムシャラにペダルを漕いだ。

念の為お店の方を振り返ってみると、マンバンマスターは優しく手を振りお見送りしてくれたので、案外ちゃんとしてる人なのかもしれないと少し安堵した。

【coco cafe】の前の道は房総フラワーライン(県道297号)と言い、この道は海と平行に通っている。北上して行くとちょうどいいサイクリングルートになると思っていたが、実際通ってみると、海沿いに防風林が植えられおり、なかなか海が見られない。

何てこったと思いつつも、肌に纏わり付く潮風と、鼻の下に岩のりを付けたような磯の匂いを感じながら、無心でペダルを漕ぐのは気持ちがいいもんだ。しばらくすると、海に続く細い道を発見したので自転車を降りて海へと向かう。

こんな時、大切な人と一緒に来ていれば、共にテンションを上げ海へと猛ダッシュするはずだが、生憎私は独りで取材中。靴の中に入ってくる砂に不快感を感じながらゆっくり歩を進める。

道を抜けるとそこにはパノラマの世界が登場し、先程までの不快感が一気に吹き飛ぶ。

千倉という場所は千葉県のマスコットキャラ〈チーバくん〉で言う所の踵の部分で、太平洋に面した場所に位置する。目に映る景色は、どこまでも続く青い水平線、その上に広がる薄い雲、何も遮られる事なく辿り着いた波の轟音。

東京湾内の穏やかな波にすっかり慣れてしまった私は、押し寄せてくる白波の迫力に少し恐怖を感じた。前髪は強風オールバック状態、突き返すような風の音と砂浜を叩きつける波の音だけが聞こえる。

だけども、脳内では反町隆史の〈Forever〉が無限ループしている。どれくらいたったのだろうか。〈Forever〉から〈POISON〜言いたい事も言えないこんな世の中じゃ〉に切り替わった所で、ふと朝から何も食べてない事に気付いた。近くに〈道の駅 ローズマリー公園〉があるので、そこで昼食を取ろうと思ったが、せっかくなので【coco cafe】でいただこうと思い、来た道を引き返す。

恐る恐る店に戻るとマンバンマスターが嬉しそうな顔で出迎えてくれた。久しぶりに従兄弟の家に来たような錯覚に戸惑いながら、昼食をいただきたい旨を伝えると、更に嬉しそうな顔でカウンター席へエスコートしてくれた。もしマンバンマスターが犬だったら嬉ションしていたに違いない。

【coco cafe】はマンバンマスター手作りの無水カレーがオススメだと紹介されたのでそちらをお願いした。

手作り無水カレードリンクセット1100円。

飲み物はアイスコーヒーを注文すると、マンバンマスターはTシャツの袖を捲り上げ、2種類の珈琲豆を紹介してくれる。

私は違いの分からない男なのでオススメをお願いすると、カウンター横から珈琲豆の入った瓶を取り出し豆を挽き始めた。てっきり冷蔵庫からトップバリューのアイスコーヒーが出てきて、それを注ぐタイプの人間だと思っていたら、豆から挽いてくれる拘り強めタイプの人だったらしい。

グラスに入った氷をストローでカラカラと鳴らし、お手製のアイスコーヒーをいただいてみる。

なるほど。やっぱり分からん。

と思ったが、普段飲んでいる紙パックの安いアイスコーヒーより苦味や酸味がなく、口の中にまろやかな珈琲の香りが広がりスッキリ飲める気がした。カレーを作ってくれてる間も、マンバンマスターは気を遣ってくれていたのか終始話を聞かせくれるので、待っている間も全然苦にはならず思いのほかすぐに提供された。

かわいい白皿にはライスとカレー、ブロッコリーとたまごサラダに福神漬けが盛られている。それではいただきます。ライスとカレーを半々ずつスプーンに乗せて口に入れる。口に入れた瞬間から普段食べ慣れているカレーと全然違う事に気づいた。野菜や肉の旨味がパンパンに詰まっていて、カレーと言うよりカレー味のスムージーに近いと思った。

トロミが強いのでご飯と良く合い美味い。マンバンマスター曰く、3日かけて丁寧に「美味しくなぁ〜れ♡美味しくなぁ〜れ♡」とジャムおじさん並に愛情を込めて作っていると説明を受けた。少々やかましさを感じたが、先程のアイスコーヒーといい、カレーといい、見た目とは裏腹にかなり繊細で、サービス精神の強い優しい人のようだ。

これまで私が勝手にイメージしていた〈極悪非道マン〉とは違ったらしい。私は人を見る目も無いのか。しかし油断は禁物だ。

お会計を済ませるまでは気を緩める事はできない。無水カレーは今まで食べてきたカレーの中でトップ3に入る美味しさだったので、思わず皿をペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ舐めてしまう所だったがそこは理性を保てた。

正直カレーセット1100円は少し高い気がしたが、拘りの詰まったカレーとアイスコーヒーを実際いただいてみるとかなりコスパいいと思う。あまりの美味しさに少し物足りなさを感じた私は次にオススメされた生シェイクを注文する事にした。

種類は抹茶、ココア、ベリー、トマト、ライム&バジル、の5種類とカクテルベースでライチとカシスの2種類がある。私はプレーンが良かったので、ダメ元で聞いてみるとプレーンを作ってくれると言うのでお願いした。

プレーンの場合は800円。良かった、言えば何でもやってくれるタイプの人のようだ。生シェイクは館山にある須藤牧場(千葉県館山市安東337)のジャージー牛ココアちゃんの乳を使用している。ジャージー牛は国産牛乳の生産量のわずか0.8%しか搾乳されておらず、大変希少価値が高い高級牛乳だと説明してくれた。

マンバンマスターはココアちゃんのお乳を飲み始めてからお通じが良くなり、寝つきも良くなって、お肌の調子が良くなって、なんなら人間関係も良くなって良い事だらけだと絶賛していた。そんなご利益のあるミルクで作られた生シェイクをいただく。

写真を撮るのを失念してしまい申し訳ないが、プラスチックのコップには、パンパンに入った真っ白い生シェイクが入っており、その上に入道雲の様な真っ白いソフトクリームが乗っかって、コップの縁にはビスケットが2枚添えられている。見た目はコップに入った長いソフトクリーム。太めのストローでシェイクを吸い込むと、カレーでホットになっていた口の中が一気に冷やされる。

一言目に出てきた言葉は「ココアちゃんありがとう」だった。乳が濃い。その辺の牧場で食べるソフトクリームとはまた違う濃さだ。喉を通った後も口の中にはミルクがしばらく居座っている。決して甘ったるい訳ではなく、ミルク本来の甘さなので、さっぱりしていて飲めば飲むほど口の中が牛さんでいっぱいになっていく。

ソフトクリームも変わらずずっと濃厚なので、食べ終えた頃の私の体臭はジャージー臭に変わっていたはずだ。プレーン味もいいが、味の変化を楽しみたい方は、抹茶やベリーがオススメだと思った。

ここからは勝手な憶測になってしまうが、メニューに無い商品でも、自分の要望を伝えればマンバンマスターなら作ってくれるんじゃないかな?と思う。なので、興味があれば是非聞いてみてほしい。

アクセスは車か電車になるが、千倉駅から少し離れているので、事前に連絡いただければ送迎してくれるサービスもある。

今回紹介させてもらった【coco cafe】は、他にもダーツやスケボーなども置いてあり、少年心をくすぐられる秘密基地のようなお店だった。マンバンマスターも、見た目とは違いとても優しく気さくな方だし、会計もボッタクられる事なく適正価格だったので、次はプライベートで訪れてみようと思う。

貴方も大切な人と一緒に海沿いをサイクリングした後、【coco cafe】で楽しい時間を過ごされてはいかがでしょう?

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