東京都・福生市【MINT】70年代かわいいアメリカンカフェ

アメリカンカフェ MINT
総合評価
( 4.5 )

1945年(昭和20年)8月15日、日本は戦争で負け、同年9月2日に無条件降伏をしアメリカの犬となった。戦死者310万人以上。1941年(昭和16年)12月8日、日本が真珠湾を奇襲していなければここまでの被害は出ていなかったかもしれないが、天皇を信じ、国の未来の為に、多くの人達が命を掛けて戦ってくれたおかげで今の私達の生活がある。

あれから78年経った現在の日本はどうだろう。目に入る物は、海外製造の物ばかりで、口にする物もハンバーガーだのピザだのカタカナの物が多くなった。果たしてこのままでいいのか?古き良き日本の文化がどんどん失われていってしまうのではないのか?私の中の大和魂が長い眠りから覚めたようだ。ちくしょう。

このままアメリカの犬のまま私達の子孫も生きていかなければならないのか。そう思うと居ても立っても居られなくなったので、とりあえず横田基地に向かうことにした。

「待ってろよーアメリカ!!」2時間弱も運転していると、途中何度か冷静な自分が現れ

(何しに横田基地向かってるんだ?)と問いかけられたが(こういうのは目的じゃなく気持ちの問題だ!)と何度かラリーがあったが一応目的地周辺まで辿り着いた。

国道16号沿いに作られた横田基地は想像していたより小さく感じた。この中にアメリカ兵がウジャウジャいるんだな。とりあえず車を停めて様子をみるとするか。16号を北上していくと、コインパーキングの看板が見えたのでそこを利用する事にした。敷地に入ると右手側の一部がタイムズ、左側が月極駐車場となっており、最悪な事にタイムズは満車なので停めることができない。

別の場所を探すかと、車を方向転換させようとした所、どこかの店舗駐車場なのか、各スペースのフェンスに看板が掛けられている事に気がついた。そうか。ここの店舗を利用すれば停められるのか。車を決められた枠の中に収め、行き先を横田基地から駐車場を借りた店舗にルートを変更した。

なんの店かわからないが、とりあえず店先まで行って、日本語の通じないアメリカがやってる店だったら帰ろう。

そう思い緑色に書かれた【MINT】と言う文字を頼りに店を探す事となった。

歩道は等間隔にヤシの木が植えられており、歩いているとだんだん、ここが日本じゃないような錯覚に陥る。

国道を挟んだ向こう側に横田基地があり、3m程の高い壁の上にワイヤーが張られ厳重に警備をされている。これじゃ中の様子が分からないじゃないか。この中に私達のご先祖様が命を懸けて戦った米兵がいる。ちくしょう。ちくしょう。ちくしょう。310万人以上の尊い命が米兵によって奪われた。妻子ある者もいた。結婚を誓っていた者もいた。母の看病をしていた者もいた。それぞれの家庭があり、人生があった。戦争さえなければ………真珠湾を攻撃していなければ………熱くなった目頭を冷ますように空を見上げた。

ヤシの木の葉がワサワサ揺れている。近くで見るとこんなにでっっけぇぇのか。よく倒れないな。てぇしたもんだ。

再び【MINT】を目指し歩き始める。駐車場からすでに150mくらい歩いてきたが【MINT】という文字が見つからない。まさか、逆方向だったか!?と一瞬不安になったが、遠くのほうに【MINT】と書かれているような、緑色の文字を発見した。

あの場所が目的としている店だったら、駐車場から離れた所に店出すタイプの人か。もしかして第一駐車場は店舗付近にあって、停めてきた駐車場は第5駐車場なのか?看板が大きくなると、【MINT】の看板だと分かった。

歩行者のフリをし一度通り過ぎる。エメラルドグリーンと白を基調とした外観は、一目でオシャレな店だと分かる。

ガラス越しに店内の様子をチラッと見ると、70年代のアメリカンカフェをコンセプトにしたかわいい店内だ。店を通り過ぎた所で足を止める。これはInstagram女子が好きなカフェだ。

ワガママボディの初老おじさん一人で入るにはハードルが高すぎる。しかも長距離歩かされたので全身ビッチョビチョ。特に尻汗が止まらない。尻汗を止めるツボをご存知の方がいらっしゃったらInstagramか LINEで教えてくださいm(_ _)mお店に入りたいが入れない。

初老おじさんが見てもカワイイお店だと分かる。私があと30歳若ければ何の抵抗もなく入れただろうに。年をとるのも辛いもんだ。

そもそも店に入れない理由が何か、貴方に分かりますか?そう。こんな不潔な初老おじさんが、こんなにカワイイお店に入るとお店のイメージや雰囲気を楽しんでいるお客に迷惑をかける事になるからだ。仕方がないここは大人しく帰ろう。。。

道を引き返そうと思ったその時、私と見た目が同じような初老ジジイが、一瞬チラッとこちらを見た後に店に入って行った。な、なんだと!私より毛量が少ないくせに何の躊躇いも無く店に入って行きやがった!なんて図々しい奴だ!と思うと同時に、このチャンスを逃してはならないと私も後に続いた。

入店すると、1970年代原宿でローラー族をやっていたであろう女性スタッフは、鳩が豆鉄砲を食らったような顔でこちらを見ている。そりゃそうだ。汗だくの初老おじさんが立て続けに2人も入店してくれば誰でもその顔になる。先に入店した毛量薄めの初老ジジイは、常連なのか無言のまま奥の席へ座る。私はどうしたらいいのか分からないので、左右の人差し指をツンツンとくっつけ入口で声を掛けられるのを待っていた。

見かねたお姉さんは「お決まりでしたらこちらへどうぞ」と声をかけてくれた。呼ばれたレジカウンターへ向かうと、ガラスケースの中に色とりどりのカワイイカップケーキが並んでいたので、早く出たい一心から一種類ずつ持ち帰りで注文した。

カップケーキは4種類(500円〜600円)あり、他にマシュマロをチョコでコーティングした物やワッフルもあった。持ち帰り用に包んでもらっている間、店内を見てみると、テーブル席横のカウンターにアメリカンテイストのワッフルメーカーやパンケーキを作る機会等が清潔に置いてある。聞く所によると、コーヒーはおかわり無料なのでサービスも良い。

なんだ、アメリカいいじゃん。よくよく考えてみれば、アメリカからしたら真珠湾を攻撃されたので反撃したまでだ。それに敗戦国の日本をここまで成長させてくれたのもアメリカのおかげだ。そうか。アメリカ人はいい人達だったのか。抱いていた憎しみが消えていく。

私は包んでもらったカップケーキを受け取り家路へと急いだ。早く食べたい。途中、適当な所に車を停めて食べてしまおうと思ったが、それはアメリカに失礼な気がしたので、グッと我慢した。

無事家に着き、急いで手洗いうがいを済ませ、可愛い箱の蓋を開けた。中からキラキラと宝石のように輝くカップケーキが現れた瞬間、思わず「かわゆい」と言葉が漏れてしまう。食べるのが勿体無い。このまま部屋のオブジェにしていつまでも眺めていたい気分だ。意を決し、アメリカの国旗が刺さった一つを手に取る。

チョコ味のスポンジケーキの上には赤、白、水色のアメリカ旗に見立てたカラフルなバタークリームが乗っかっている。それではいただきます。なるほど。これがアメリカの味か。これは味を楽しむのではなく、見た目を楽しむ食べ物だ。

若い子には美味しいのかもしれないが、少なくとも初老おじさんの口には合わない。決して不味くはないが、食べた事ない味に戸惑った結果、私にはまだ早すぎる味だな。というのが素直な感想だ。

因みに一つ一つ味が違い、ストローが刺さっている緑色のカップケーキはミントの味がした。貴方も大切な人と一緒に、カワイイアメリカンカフェ【Mint Motel】でオシャレな時間を過ごしてみてはいかがでしょう。

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