千葉県・鴨川市【ところてん小屋 青木】夏はやっぱり心太!!

ところてん小屋 青木
総合評価
( 4.5 )
メリット
  • 鴨川産の手作りところてん

夏の暑い日、食欲が湧かない。かと言って何も食べないのもなんかダメな気がする。

素麺も飽きたし、冷やし中華も飽きた。っと言うより、もう考えただけで食欲が失せる。たまには海の方でも行って、そんでもって新鮮なお魚さんでも食べるとするか。定期的に魚と野菜を食べていれば、健康的な身体になると信じているのだ。

「さかなさかなさかな〜さかなーをたべるとー、アタシアタマオカシイ〜ドンドンヨクナール」鼻歌を歌いながら車のエンジンを掛け車を走らせた。

目的地はどこでも良かったが、直感的に水族館付近が良さそうな気がしたので、千葉県の鴨川市を目指す事にした。国道128号(外房黒潮ライン)を走っていると、時々太平洋が見える。

「おー!海だ!やっぱり夏と言えば海だよなー!RAG FAIRでも聞く?」「うん、そうだね!海と言えばやっぱりPAG FAIRの恋のマイレージでしょ!。」こうやって時々1人で会話すると、友達とのドライブ気分が味わえるのでオススメだ。

MDをセットし、合いの手を入れ、ボイスパーカッションの練習もした。5回はリピートしただろうか。「チュチュパッパチュチュパッパ」と耳障りなので、聞いているとだんだん腹が立ってきた。お次はEE JUMPの“おっとと夏だぜ”を流す。そういえば、ソニンって今何してんだろう。

元気でやってるかな?そんな事を考えながら走っていると、【道の駅 鴨川 オーシャンパーク】の看板を目にした。そろそろ2時間経つし休憩がてら寄ってみるか。
車を降りると日差しがジリジリと肌を刺し、潮の匂いがする。まさにおっととと夏だぜ!建物は2階建てのコンクリート造り、外に無料の足湯スペースがある。

普段だったら旅の疲れを癒す所だが、気温36℃の中では入る気にならない。1階はお土産や、2階は和食中心のレストランになっている。

金銭的余裕が無かったので、トイレでマーキングだけしようと歩いていた所、ところてん小屋の小さな看板を見つけた。ところてん屋さん?どんな所なのか少し興味が湧いたので、尿意を我慢し、看板が案内する方へ行ってみる事にした。道の駅から続く未舗装の裏道を歩いて行くと、木造建ての小さな小屋がポツンと現れた。

おそらく個人で営んでいるのだろう。見た目は年季を感じさせる造りになっているが、はて、ところてん屋が先に出来たのか、道の駅が先に出来たのか?一体どっちなんだろう。

そんな疑問を抱きながら店内にお邪魔した。10畳ほどの広さの店内に8人掛けの長テーブルと2人掛けの小さいテーブルが2個用意されている。外にはテラス席があるので、そこから海が見られるようになっている。

ところてん道場と書かれた厨房では、店主が夏バテ気味に腰を下ろしていた。

メニューは〈酢醤油500円〉〈黒蜜500円〉の2種類のみで、完璧なところてん専門店だ。

これは期待が持てる。どちらにしよう。やはりところてんと言ったら酢醤油だよな。でも、黒蜜も美味しそうだ。そうこう考えていたら急に腹が減ってきた。こうなると2個食べたくなってくる。せっかくだから2個食べるか!あっ、いくら持ってたっけ?ベリベリと財布を開き確認すると、2.603円も入っていた。

これなら2個食べられるじゃん!棚から牡丹餅的な感じで酢醤油と黒蜜を注文し、お会計を済ませた後、領収書をお願いすると「領収書はない」と返答があった。え?レシートも領収書も出さないお店なんてあるの?頭に大きな“?“で浮かび上がる。

今まで領収書を貰えない店なんて無かったので、正直驚いたが、そんな店もあるのかと自分を納得するしかなかったが、心の中はモヤモヤは治らない。

店主はお構いなしに作業に取り掛かる。冷蔵庫から収納ケースのような物を取り出すと、羊羹くらいの大きさにカットされたところてんが30本くらい入っていた。

店主がひょいと一つ掴むむと天突きにセットした。ここからがところてんの見せ場だ。店主がチラッとこちら確認した後に、後ろから棒を押し込むと“にゅるん”と器に落ち細かく分かれた。上手い例えが見つからないが、“快便”という表現が正しいような気がする。

店主特製の酢醤油を器に「ビチャチャチャチャチャチャ」とかけて、青海苔をフサッで酢醤油は完成した。

次に黒蜜用のところてんも“にゅるん”と出した後、黒蜜を「むにょょょん」とかけて、さくらんぼをひとつチョンと置いて完成だ。きな粉はパケに入った物を渡されるのでお好みでどうぞスタイルだ。天草から手作りされたところてんを食べるのは初めてなので少しワクワクする。

まずは酢醤油からいただきます。ちゅるると吸い上げモグモグ……エッジの効いたところてんを噛むと不思議な食感がする。上手い例えが見つからないが、クラゲを噛んでる食感に近い気がする。タレはそんなに酸っぱくないので、ちゅるると吸い上げても咽せない。ただし、NOPLANNERは馬鹿舌なので、敏感舌の方は鵜呑みにしないで、味見をしてからの方がいいと思う。NOPLANNERの言葉を信じてちゅるると啜ったら、ゴホゴホと咽せて辺り一面ところてん畑になったら大変だ。口の中の爽快さは、これまた上手い例えが見つからないが、紫蘇ジュースを飲んだ時に近い感じかも。
店内はエアコンも扇風機も無いので、海風が入ってこないと暑い。店主もそれが原因で夏バテ気味なのかもしれない。
続いて黒蜜をいただきます。見た目はきな粉あんみつ。

こちらはちゅるるというより、どぅりゅりゅという感じの啜り感。あー、なるほど。天草の味はするけど、寒天みたいで黒蜜とも良く合う。黒蜜もとても濃くて美味しい。

私がカブト虫だったら今夏はずっと吸い続けているだろう。夏はやっぱりところてんだ。ところで、ところてん(心太)はいつから食べられているか、なぜ漢字で心太と書くかご存知だろうか?もし興味があればググって調べて下さいね。

暑い日にかき氷や素麺もいいけど、今夏は大切な人と天然ところてんを食べてみてはいかがでしょう。きっと喜んでくれるはず。

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ところてん小屋 青木
所在地千葉県鴨川市江見太夫崎
電話090-4956-7801
営業時間10:00~16:00
定休日水曜・木曜

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